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企業のカスハラに対する対応

顧客が企業やその従業員に対して行う不当な要求や迷惑行為(カスハラ)は、業務への支障はもちろん、従業員のパフォーマンスや健康状態等にも影響するため、対策が必要です。

労災認定基準にもカスハラに関する項目が明記され、法的な状況も変わりつつあります。

業種によっては労働者不足が著しく、カスハラを受けた従業員の被害をそのままにしている職場では、離職が起こりやすくなり、サービスの提供に影響を及ぼす可能性があります。


カスハラに関する具体的な該当行為として、①長時間拘束型、②リピート型、③暴言型、④暴力型、⑤威嚇・脅迫型、⑥権威型、⑦店舗外拘束型、⑧SNS/インターネット上での誹謗中傷型、⑨セクシュアルハラスメント型の9つが挙げられており、それぞれ、「該当行為例」「判断基準例」「対応方針・対応例」「該当する可能性のある刑法犯」について示されています。

例えば、長時間拘束型については、「居座り、長時間の電話など、顧客が正当な理由なく長時間従業員を拘束する」(該当行為例)、「商品・サービスに問題がない場合、約30分を目途に判断する」など(判断基準例)、「上位者に代わる(電話応対時、来店時)」など(対応方針・対応例)、「監禁罪刑法220条(3年以上7年以下の懲役)・一定の場所から移動の自由を奪う行為」など(該当する可能性のある刑法犯)としています。


従業員を守るという観点も含めて対策を講じなければいけませんが、カスハラかどうかの判断は極めて難しいのが実情です。企業としては「受け入れられない行為」について具体的な基準を設けておくと良いでしょう。

カスハラ行為を想定した事前準備として、事業主の基本方針・基本姿勢の明確化→従業員への周知・啓発→従業員(被害者)のための相談対応体制の整備→対応方法、手順の策定→社内対応ルールの従業員等への教育・研修を行う、としています。

また、ハラスメント行為が実際に起こった際の対応として、事実関係の正確な確認と事案への対応→従業員への配慮の措置→再発防止のための取組み→前記までの措置と併せて、プライバシー保護や不利益取扱いされないことなどの措置を講じる、としています。


厚生労働省・あかるい職場応援団では、「職場におけるハラスメント対策」の取り組みについて公開しているので参考にしてみてください。

https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/pdf/kensyu_2023/3_custmer_hara.pdf