2026年8月から高額療養費制度が見直されます
2026/07/28病気やけがで医療費が高額になった場合に、患者の負担を一定額に抑える「高額療養費制度」が、2026年8月から見直されます。
高額療養費制度とは、1か月の保険診療にかかる自己負担額が、所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、その超過額が払い戻される制度です。今回の見直しでは、制度を将来にわたって維持するため、月ごとの自己負担限度額が引き上げられる一方、長期療養者への配慮として「多数回該当」の限度額は原則として据え置かれ、新たに年間上限が設けられます。
70歳未満の方の主な改正内容は次のとおりです。
①標準報酬月額83万円以上
年間168万円を上限に、月額「270,300円+(総医療費-901,000円)×1%」となります。改正前は「252,600円+(総医療費-842,000円)×1%」です。
②標準報酬月額53万円~79万円
年間111万円を上限に、月額「179,100円+(総医療費-597,000円)×1%」となります。改正前は「167,400円+(総医療費-558,000円)×1%」です。
③標準報酬月額28万円~50万円
年間53万円を上限に、月額「85,800円+(総医療費-286,000円)×1%」となります。改正前は「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」です。
④標準報酬月額26万円以下
年間53万円を上限に、月額61,500円となります。改正前は57,600円です。
⑤住民税非課税などの低所得者
年間29万円を上限に、月額36,900円となります。改正前は35,400円です。
ここでいう「総医療費」とは、窓口で支払う3割分ではなく、健康保険が適用される医療費の10割相当額をいいます。また、年間上限の対象期間は、暦年ではなく、毎年8月から翌年7月までの12か月間です。月々の自己負担額の合計が年間上限を超えた場合には、その超過分が還付されます。
長期治療を支える「多数回該当」
多数回該当とは、直近12か月以内に高額療養費の対象となった月が3回以上ある場合に、4回目から月額上限がさらに引き下げられる仕組みです。限度額適用認定により、医療機関の窓口で上限額までを支払った月も回数に含まれます。
70歳未満の場合、多数回該当後の限度額は、標準報酬月額83万円以上が140,100円、53万円~79万円が93,000円、28万円~50万円および26万円以下が44,400円、低所得者が24,600円です。今回、通常の月額上限は引き上げられますが、これらの多数回該当額は原則として据え置かれます。
従業員本人や家族が入院や継続的な治療を受ける場合、高額療養費制度の利用は家計負担を大きく左右します。会社の担当者も、月額上限の変更だけでなく、年間上限や多数回該当の仕組みを理解し、必要に応じて従業員へ案内できるようにしておきましょう。

