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MIRAIGA通信

2020/03/30

 3月1日に本ブログで知らせした、雇用調整助成金の拡充策ですが(https://miraiga.net/contents_256.html)、

新型コロナウイルスの影響が深刻化を受け、2020年4月1日から6月30日までの期間が緊急対応機関と定められ、
雇用調整助成金の更なる特例措置が実施されることになりました。

 

 「雇用調整助成金」とは

この助成金は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた 事業主が、

労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者 の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金等の一部を助成するものです。

https://www.mhlw.go.jp/content/000611773.pdf

 

特例措置の拡大により以下のようになりました。

変更のあった個所を赤字にしてあります。

(1)対象となる事業主の拡大

 新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主(全業種)

 

(2)生産指標要件の緩和

 1か月5%以上低下

 

(3)対象者の拡大

 雇用保険被保険者でない労働者の休業も助成金の対象に含める

 

(4)助成率の引き上げ

 4/5(中小)、2/3(大企業)

解雇等を行わない場合は9/10(中小)、3/4(大企業)

 

(5)計画届

 計画届の事後提出を認める(1月24日〜6月30日まで)

 

(6)支給限度日数

 1年100日、3年150日+上記対象期間

 

(7)その他

 上記の拡充にあわせて、短時間一斉休業の要件緩和、残業相殺の停止、
 支給迅速化のため事務処理体制の強化、手続きの簡素化も行われます。

 教育訓練が必要な被保険者について、教育訓練の内容に応じて、加算額を引上げる措置が別途講じられます。



厚生労働省報道発表資料


2020/03/28

法人などの一般企業が加入する協会けんぽの健康保険では、仕事以外の病気やケガなどで仕事を休んだ場合、

休業4日目より健康保険から傷病手当金が支給されています。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139/


個人事業に勤務する人が加入する国民健康保険や、75歳以上の後期高齢者における後期高齢者医療制度では、

傷病手当金は支給されません。

 

しかし、これらの制度には様々な就業形態の者が加入していることから、新型コロナウイルス感染症に感染した被用者に対して、

本年9月30日までの間で療養のため労務に服することができない期間に対して支給した場合には、

全額の財政支援(特別調整交付金による)を行うことになりました。

 

具体的には、次のような傷病手当金の支給となる予定です。

 

●対象者

被用者のうち、新型コロナウイルス感染症に感染した者、または発熱等の症状があり感染が疑われる者

 

●支給要件

労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間

 

●支給額

直近の継続した3月間の給与収入の合計額を就労日数で除した金額× 2/3 × 日数

 

●適用

2020年1月1日〜9月30日の間で療養のため労務に服することができない期間

(入院が継続する場合等は健康保険と同様、最長1年6月まで)


ただし、事務処理等の詳細についてはまだ決まっておらず、追って示される予定となっています。

厚生労働省から国民健康保険を管轄する都道府県への事務連絡



2020/03/27
新型コロナウイルスの影響で事業所の経営状況等に影響があり、
一時的に社会保険料の納付が困難な場合は、事業主の方からの申請で納付の猶予が認められる制度があります。
この猶予には「換価の猶予」と「納付の猶予」があります。

「換価の猶予」とは、あまり聞きなれない言葉ですが、
すでに差し押さえされている財産、あるいは今後差し押さえの対象となりうる財産の換価処分(公売)を、
一定の要件に該当した場合に猶予し、分納を認めるという制度です。

換価の猶予または納付の猶予が認められると、以下のような効果があります。
① 猶予された金額を猶予期間中の各月に分割して納付することになります。
② 猶予期間中の延滞金の一部(納付の猶予の場合は全部または一部)が免除されます。
③ 財産の差押や換価(売却等現金化)が猶予されます。

猶予期間は1年の範囲内(特別な場合は2年)で、申請者の財産や収支の状況に応じて、
最も早く厚生年金保険料等を完納することができると年金事務所が認められる期間となります。

この措置は社会保険料の支払いを一時的に遅らせることはできますが、
免除になるわけではありませんので、注意が必要です。

【猶予制度のパンフレット(厚生労働省)】
【猶予の手続き(厚生労働省)】



2020/03/22
2020年4月1日に改正民法が施行され、「身元保証書」の取り扱いが大きく変わります。

4月から新入社員を迎え入れる会社も多いと思いますが、
入社の際に身元保証書をとっている場合は注意が必要です。

労働基準法では従業員に対する賠償を予定する労働契約は禁止されています(労働基準法第16条)。
しかし、保証人に対する賠償は労働基準法には規定されていないため、民法の規定に従うことになります。

その民法が改正されたため、保証人に対する身元保証書には「責任を負う限度額」の記載が必要となりました。

つまり企業と身元保証人の間で、賠償額の上限の合意が必要になるのです。

今後、上限の記載のない身元保証書はその契約自体が無効になります。

では「賠償額の上限」ってどう決めたらいいのでしょうか?
上限額は法律では決まっておらず、企業側で自由に設定できます。
例えば「1億円」と身元保証書に記載することも可能です。
ただ、そんな身元保証書に捺印してくれる保証人を探すのは一苦労ですし、
そんな会社に入社することを良く思わない可能性が高いですね。

支払いが可能でかつ少額すぎない、現実味のある金額にするのが良いでしょう。

なお、この措置は2020年4月1日以降に入社する人に適用されるので、
それ以前に締結された身元保証書を書き直す必要はありません。



2020/03/19
3月10日の記事(https://miraiga.net/contents_268.html)で詳細が発表された小学校休業等対応助成金ですが、
3月18日に申請受付がスタートしました。

申請期間や申請書の提出先などは以下の通りとなります。

<申請期間>

 3月18日〜6月30日

<申請書の提出先>

 学校等休業助成金・支援金受付センター(厚生労働省の委託事業者で、地域によって4か所に分かれます)

<問い合わせ先>

 学校等休業助成金・支援金等相談コールセンター

 電話:0120−60−3999

 受付時間:9:00〜21:00(土日・祝日含む)

助成金の詳細や、申請書の様式なども追記されていますので以下をご参照ください。




2020/03/12

3月2日の記事(https://miraiga.net/contents_257.html)にて

新型コロナウイルスによる資金繰悪化に対応する制度である「セーフティネット保証」による支援をご紹介しました。
また、新たに政府による「実質無利子・無担保の融資をする」と発表されたところです。
経済産業省のパンフレットのリンクを貼っておきます。

これに伴い、各都道府県や市区町村でも支援制度を設けられています。
これを都道府県ごとにひとつづつ調べるのは大変ですが、全都道府県をまとめてくれているサイトがあります。

独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営している「J-Net21」というサイトで、
通常は中小企業経営者の課題解決をサポートする最新の支援情報や事例を紹介しています。

その中に「新型コロナウイルス関連情報」として『地域の補助金・助成金・融資情報』を掲載しています。

都道府県や政令指定都市などが公表している情報をまとめたページです。 


例えば、「新型コロナウイルス感染症対応緊急資金」については、各都道府県が独自のページを持っています。
京都府:
なお東京都など一部の都道府県では、緊急融資のほかに独自の助成制度を設けているところもあります。






2020/03/11

協会けんぽの健康保険では、仕事以外の病気やケガなどで仕事を休んだ場合、

休業4日目より健康保険から傷病手当金が支給されます(ざっくり給料の67%くらい)。


※傷病手当金についてはこちらを参照
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139/
(国民健康保険には傷病手当金はありません)

新型コロナウイルスにかかってしまい、療養のため仕事を休んだ場合は当然傷病手当金は支給されますが、
それ以外の理由で仕事を休んだ場合の取り扱いについてQ&Aが発表されました。
その中で特に起こりがちな2つのケースをご紹介しておきます。

Q:被保険者が発熱などの自覚症状があるため自宅療養を行っていた期間については、
 労務に服することができなかった期間に該当するのか。

A:(前段省略)やむを得ない理由により医療機関への受診を行わず、
 医師の意見書を添付できない場合には、支給申請書にその旨を記載するとともに、
 事業主からの当該期間、被保険者が療養のため労務に服さなかった旨を証明する
 書類を添付すること等により、保険者において労務不能と認められる場合、
 傷病手当金を支給する扱いと する。

つまり、発熱などで自分の意志で病院に行かずに自宅療養をした場合、
医師の証明を受けずに傷病手当金の申請ができることになります。


Q:本人には自覚症状がないものの、家族が感染し濃厚接触者になった等の事由において、
 本人が休暇を取得した場合には傷病手当金は支給されるのか。

A:傷病手当金は、労働者の業務災害以外の理由による疾病、負傷等の療養のため、
 被保険者が労務に服することができないときに給付されるものであるため、
 被保険者自身が労務不能と認められない限り、傷病手当金は支給されない。

当然と言えば当然ですが、本人が病気やケガを負わない限り傷病手当金は支給されません。 




2020/03/10
3月3日の記事(https://miraiga.net/contents_261.html)にて速報をお知らせした
小学校等の臨時休業等に伴う保護者の休暇取得支援について、詳細が出ました。

助成金の名前は
「小学校休業等対応助成金」です。
ちなみに、3月9日時点で受付はスタートしていません。
新たな情報がわかりましたらお知らせします。

 

要件は速報時と特に変わっていませんが、

学校の臨時休業の定義や対象となる有給の休暇の範囲が決められました。


【臨時休業の定義】
新型コロナウイルス感染症に関する対応として、小学校等が臨時休業した場合、
自治体や放課 後児童クラブ、保育所等から可能な範囲で利用を控えるよう依頼があった場合

※保護者の自主的な判断で休ませた場合は対象外


【有給の休暇の範囲】
○春休み、土日・祝日に取得した休暇の扱い
 通常の小学校等・・・・学校の元々の休日以外の日 、本来施設が利用可能な日
 コロナウイルスに感染又は感染したおそれのある学校等
        ・・・・学校の春休みなどにかかわらず、令和2年2月27日から同年3月31日までの間は対象
○半日単位の休暇、時間単位の休暇の扱い
 対象となります
○就業規則等における規定の有無
 休暇制度について就業規則や社内規定の整備を行うことが望ましいですが、
 就業規則等が整備されていない場合でも要件に該当する休暇を付与した場合は対象となります
○労働者に対して支払う賃金の額
 年次有給休暇を取得した場合に支払う賃金の額を支払うことが必要です

 

改めて要件を記しておきます。

①年次有給休暇とは別に有給の休暇を取らせること

②休暇中に支払った賃金相当額の全額を助成金で支給(ただし、上限は8330円/日)

③雇用保険加入していない労働者も対象

④令和2年2月27日〜3月31日までの休暇が対象





2020/03/04
時間外労働等改善助成金のテレワークコース、職場意識改善コースについて、
令和元年度の受付はすでに終了しておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、
テレワーク導入や特別休暇の規定整備は急務となっています。
それに伴って特例的なコース が新たに設けられました。

【テレワークを推進するための助成金】
① 新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新規で導入する中小企業事業主
② テレワーク用通信機器の導入・運用または就業規則・労使協定等の作成・変更 等を実施

③ 事業実施期間中(2/17〜5/31)にテレワークを実施した労働者が 1人以上いること

助成金額:②にかかった費用の1/2(1企業当たりの上限額:100万円)


【休暇の取得促進の助成金】
①新型コロナウイルス感染症対策として休暇の取得促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主
②就業規則等の作成・変更または労務管理用機器等の購入・更新 等を実施
③新型コロナウイルスの対応として労働者が利用できる特別休暇の規定を整備すること
助成金額:②にかかった費用の3/4(1企業当たりの上限額:50万円)

【ご参考】時間外労働等改善助成金

2020/03/03

小学校などが臨時休校になったことに伴って、

保護者が有給休暇を取得するなどした場合に、

その分の賃金補償をする助成金が発表されました。

 

①年次有給休暇とは別に有給の休暇を取らせること

②休暇中に支払った賃金相当額の全額を助成金で支給(ただし、上限は8330円/日)

③雇用保険加入していない労働者も対象

④令和2年2月27日〜3月31日までの休暇が対象

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09869.html

手続きの方法などはまだ何も決まっていませんので、追加情報がありましたらお知らせします。





2020/03/02

昨日ご紹介したの「雇用調整助成金」は従業員への休業補償の一部補填を目的としているため、

運転資金の不足を満たしてくれるものではありません。

金融機関からの融資が必要なケースもあるかと思いますが、経済産業省のセーフティネット保証4号の指定により、
融資が受けやすくなる制度が講じられています。

信用保証協会が全額保証をしてくれるので、金融機関も安心して貸付ができる制度です。

 

対象となるのは、以下の要件を満たした中小企業です。

 

①指定地域において1年間以上継続して事業を行っていること

②最近1か月の売上高等が前年同月に比して20%以上減少しており、
 今後もその状態が続くと見込まれること

 

いま借りている通常の融資枠とは別枠で、2億8000万円を上限に全額が保証されます。

https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200228001/20200228001.html


また、京都市では独自の融資制度を導入しています。

「新型コロナウイルス対応緊急資金」融資制度

各都道府県・市町村にも同様の制度があると思いますので、
自社の所在地のHPを調べてみてはいかがでしょうか。


2020/03/01

新型コロナウイルスで売り上げの大幅減などの影響があった企業に対して助成金の特例措置が設けられています。


「雇用調整助成金」

この助成金は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた 事業主が、

労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者 の雇用の維持を図った場合に、

休業手当、賃金等の一部を助成するものです。

 

今回は新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主の売上減などがあった場合の特例措置で、

助成の要件が一般の雇用調整助成金より緩和されてました。

これにより、日本人観光客の減少の影響を受ける観光関連産業や、
部品の調達・供給等の停滞の影響を受ける製造業なども幅広く特例措置の対象となります。

 

① 休業等計画届の事後提出を可能とします。 
  通常事前に計画届の提出が必要です(令和2年5月31日までの提出に限定)。 
② 生産指標の確認対象期間を3か月から1か月に短縮します。 
  直近1か月の売上高等が前年同期に比べ10%以上減少していれば要件を満たします。 
③ 直近3か月の雇用指標が対前年比で増加していても助成対象とします。
  通常前年同期比で一定程度増加している場合は助成対象となりません。 
④ 事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象とします。